オウンドメディア(企業や団体が自ら所有・運営するメディア)からのコンバージョンを増やすための方法をChatGPTに相談すると8つの項目を教えてくれました。
言ってることは間違ってはないですが一般論を述べるだけなので、コーポレートサイト運用10年の私がツッコミを入れつつ具体例を示し検証していきたいと思います。
1.コンテンツの質を高める
ターゲットとなる顧客のニーズや関心を深く理解し、それに合わせたコンテンツを作成します。
ユーザーが価値を感じる情報を提供し、彼らの問題を解決する手助けをします。
それができれば苦労しないよ…
とはいえ、オウンドメディアにおいて最も重要なことであることは間違いありません。
オウンドメディアがコンテンツを必要としている理由はサイトにユーザーを連れてくるためです。
サイトにユーザーを連れて来なければいけない理由は、企業はそれを売上げアップに繋げたいからです。
という中で、現在webサイトにweb上からユーザーを連れてくる手段が「広告」か「コンテンツ」しかありません。
前者は予算さえあればネット上のあらゆる場所に出没可能で、ユーザーの意思にかかわらずサイトの上の最も目立つ場所で見せつけられますが、それをクリックするのはそれを本当に必要としている時だけです。
後者は、ユーザー自身の検索行動やSNSタイムライン上でユーザーがそのコンテンツを偶然見つけそれが自分にとって役に立つ・面白い情報と感じた場合にクリックされます。
故にコンテンツの中身そのものが重要で、つまり「質」が問われます。
2.SEO対策
コンテンツを検索エンジンで上位表示させるための最適化を行います。
キーワードリサーチを行い、関連性の高いキーワードをコンテンツに組み込むことが重要です。
現在のインターネットでSEOは絶対的に重要です。
なぜならインターネット上におけるユーザーの「検索行動」は主流の1つだからです。
(今後AIがどのように影響を及ぼすかの未来の話は一旦置いといて)
Webサイトへの流入経路に関してはGoogleアナリティクスでは5つに分類されています、
Organic Sarch ← Google、Bing、Yahooなど検索エンジンからの流入
Direct ← サイトのブックマークなどの直接流入
Organic Social ← X(ツイッター)、Facebook等SNSからの流入
Referral ← 記事引用や転載など他のサイトからのリンク
Email ← メルマガなどメールアドレスへの配信からの流入
それら5つの流入経路を理解し、原則的にそれら全てを抑えた上でリソースをどのように割り振るかを考える必要があります。
例えば、弊社の運用のwebメディアBooks&Apps(月間100PV超)のある月間の流入経路は以下の通りです。
Organic Searchが最も多くなってますが、Direct、Oraganic Socialもボリュームがあることがわかります。
3.ユーザビリティの向上
サイトのデザインや構造をユーザーフレンドリーにすることで、訪問者がサイトを離れることなく目的のアクションをとりやすくします。
ユーザビリティの向上はその通りですが、ここで「目的のアクション」とは何を指しているのでしょう?
それは、その企業の売上げに貢献する何かしらのステップのことです。
BtoC企業であれば、例えばECサイトへの誘導(=クリック数)が「目的のアクション」になるでしょうし、BtoB企業ではサービスページに訪問してもらい検討→問い合わせが最も期待されるアクションとなるでしょう。
サイトの運営者が何を「目的のアクション」とするかを決定し、その上でようやくデザインや構造をユーザーフレンドリーにすることができます。
4.CTA(Call to Action)の最適化
訪問者に対して次にとるべきアクションを明確に伝え、それを実行しやすくするボタンやリンクを配置します。
オウンドメディア運営で注意する点は「コンテンツは広告ではない」ということです。
これは何度言っても言い足らないくらい本当に本当に勘違いしやすい課題です。
オウンドメディアの運営側がコンテンツを広告と捉えて、コンテンツそのものでユーザーを説得しようとしても基本的には上手くいきません。
なぜならば訪問者はその企業ではなくコンテンツの内容そのものに興味を持ってそのページに訪れているからです。
なんでそんなに言い切れるのか?
答えはあなたが知っています。
あなたのSNSタイムラインで「お、これ面白そう!」と偶然見かけてクリックした時の「気持ち」を思い出してください。もしくは検索ワードでググった時に並ぶタイトルを見て「これだ!」とクリックした時の気持ち。あなたが知りたいのはその企業のことではなく、その検索ワードであなたが知りたい情報なはずです。
とはいえ、オウンドメディアは企業が売上アップのため具体的に言うと、宣伝活動に使っているため「成果」が求められます。
そのためのCTAです。
1つの例として、Books&Appsの事例をご紹介します。
全ての記事の下に下記のように「お知らせ」として必ず自社のWorPressプラグインによる宣伝スペースを運用しています。
その目的は見込み顧客のリスト化です。
月間で最大250件ほどのコンバージョンが発生しています。
5.データ解析
Google Analyticsなどのツールを使用して、ユーザーの行動やコンバージョンのパターンを分析します。
これにより、どのコンテンツが効果的であるか、どの部分に改善の余地があるかを判断できます。
ITがある世界とそうでない世界で大きく変わったことの1つにデータ解析の容易さがあります。
ITがない時代はマーケティングに活かすための顧客情報を取得するために、アンケートを実施したり、サンプル調査をしたりと「物理的な工程」を経る必要がありました。
しかし現在は、そのような工程を経ずに顧客情報を容易に取得できます。
その上でオウンドメディアで本当に大事なデータは、2つしかありません。
それはどれだけの人がそのサイトへ訪れたか?
訪れたユーザーがどれくらい顧客になってくれたか?
たったこの2つです。
前者がつまり「集客」で、一般的にはPV数やユーザー数で測ることもできます。
後者は「営業可能なリード数」のことです。
コンテンツの質にこだわるのは、訪問するユーザー数を最大化するためですし、
CTAに拘るのは、コンバージョンを増やすために他なりません。
そのために様々なデータが取得できるようになっています。
6.SNSとの連携
ソーシャルメディアを利用してコンテンツを広め、新しい訪問者を引き寄せます。
上記[2.SEO対策]で説明した通り、SNSはユーザーがサイトへ流入する重要な経路です。
ですのでSNSアカウントは絶対に運用すべきです。
という話です。
7.Eメールマーケティング:
訪問者にニュースレターの購読を促し、定期的に彼らにコンテンツやプロモーション情報を送信します。
これも[2.SEO対策]で流入経路の1つとして紹介しましたが、EメールマーケティングとSNSの違いは実は大きいです。
なぜなら一般的に人々はSNSをビジネスでは使わないからです。
参考:メルマガなんて廃れるよね、と思った時期。私にもありました。
特にBtoBビジネスの場合顧客とのコンタクト方法がEメールに限られる場合が非常に多く、故にSNSとEメールは別々にそれぞれを運用する必要があります。
8.信頼性の確保
ユーザーのレビューや評価、専門家からの推薦などをサイトに掲載し、訪問者の信頼を得る努力をします。
Googleが運営するGoogle検索セントラルにはユーザーの信頼を得られるようにサイトを構築するという項目があり、それを指していると思われます。以下引用します。
“ユーザーが安心してアクセスできるサイトは、信頼できると感じられるサイトです。
評価の高いサイトは信頼できるサイトです。特定の分野で専門性と信頼性に対する評価を得られるようにしましょう。
サイトの運営者、コンテンツの提供者、サイトの目的を明確に示してください。ショッピングサイトなど金銭の授受が発生するウェブサイトでは、ユーザーが問題を解決するための明確なカスタマーサービス情報を十分に提供する必要があります。また、ニュースサイトの場合は、コンテンツの責任者を明確に示してください。
適切な技術を使用することも重要です。ショッピング決済ページで安全な接続が保証されなければ、ユーザーはサイトを信頼できません。”
7つの項目はオウンドメディア運営者の視点で検証してみました。
ぜひご参考ください。
現場からは以上です。
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【著者プロフィール】
楢原一雅(ティネクト取締役)
マーケティング担当