オウンドメディアのコンバージョン戦略について掘り下げる

オウンドメディア運営には主に2つの側面があり、1つ目は「集客」、2つ目は「コンバージョン」です。

これらをごく単純に言えば、前者は「いかに多くの訪問者を獲得するか」であり、後者は「訪問者をいかに自社のお客様にするか」です。

 

この2つは似て非なるものです。

なぜならば「集客」は不特定多数の中から「コンテンツそのもの」に興味を持って来訪するユーザーを生み出すことである一方、「コンバージョン」は、コンテンツに興味を持って来訪したユーザーに対して「自社そのもの」に興味を持ってもらう活動だからです。

 

極端な例をあげると、プロ野球というスポーツコンテンツビジネスにおいて、野球そのものを魅力的にしてファンを呼ぶ活動と、そのファンへの広告効果を促し収益化する仕事は全く別の仕事であることは想像に難くないでしょう。

 

というわけで、今回は「オウンドメディア」のコンバージョンについて掘り下げてお話したいと思います。

 

1.コンバージョン戦略の重要性を理解する

コンバージョン戦略とは、簡単に言えば、サイト訪問者を顧客に変えるための計画です。

効果的なコンバージョン戦略がなければ、企業は新規顧客の獲得と収益の拡大に苦労するどころかコンテンツマーケティングそのものを無意味にしてしまう可能性すらあります。

 

サイト訪問者が顧客に変えることは、それは多くの場合新規顧客を生み出すことに繋がります。

なぜならば、今まで獲得した既存顧客とは全く別のチャネルでの顧客獲得となるからです。

 

つまりよく設計されたコンバージョン戦略は、サイトの収益性を向上させ、企業の売上に貢献します。

さらに顧客行動に関する貴重なデータと洞察を提供し、企業がマーケティング活動を最適化することを容易にします。

 

2.ターゲットオーディエンスの調査

コンバージョン戦略の重要性を理解したところで、まずはターゲットとなるオーディエンスの調査から始めることが重要です。

マーケティングキャンペーンを成功させるための最初のステップは、ターゲットオーディエンスを特定することです。つまり、年齢、性別、興味、行動など、理想的な顧客像を把握することです。ターゲットオーディエンスを理解することで、メッセージングやマーケティング活動をより彼らの心に響くように調整することができます。

 

しかし、ターゲットオーディエンスを特定することは、ほんの始まりに過ぎません。彼らのニーズや関心事を理解することも必要です。

そのためには、アンケートを実施したり、分析ツールを導入したりして、ウェブサイト上でのオーディエンスの行動に関するデータを収集する必要があります。

 

一般的にはバイヤーペルソナ(理想の顧客を表す架空の人物像)を作成し、ターゲットオーディエンスをより明確にします。

 

3.バリュープロポジションをウェブサイトの訪問者へ届ける

次にターゲットとなる顧客の心に響く価値を提案する必要があります。

まず大前提として企業は自らの「バリュープロポジション」を理解しておく必要があります。

バリュープロポジションとは簡単に言えば、自社の製品やサービスのメリットと、それが顧客の問題解決にどのように役立つかを明確にした文言のことです。

(参考:市場の持続を生むプロシューマ感性バリュー・プロポジション,相原憲一,2008年)

 

説得力のあるバリュープロポジションをサイトへの訪問者へ届けることで、顧客となり得ます。

それこそが冒頭で話した「コンバージョン」の役割です。

 

ウェブサイトのトップページやその他のマーケティング資料で、独自のバリュープロポジションを明確にアピールし、ただの訪問者を見込み客へと変え、そして「顧客」が生まれるのです。

 

4.訪問者にとって価値ある体験を提供する

ウェブサイトのデザインはユーザー体験に大きく影響し、それがコンバージョン率に直結します。直感的で使いやすいウェブサイトは、訪問者にとって価値ある体験を提供し、結果として高いコンバージョン率を生み出します。

 

価値ある体験とは以下の5つです

1.ユーザーフレンドリー: サイトに来訪するあらゆる訪問者が探している情報や製品をすぐに見つけることができること。

そのために効果的なUI/UXサイト設計をする

 

2.ベネフィット: 価値のある情報を提供すること。

読みやすく役に立つコンテンツ、わかりやすい商品紹介ページ、FAQセクションなどユーザーにとって信頼性のある有用な情報をサイトに継続的に更新する

 

3.スピード: 遅いウェブサイトは「罪」です。

ほぼ全てのユーザーはページロード時間の遅延を「本能的」に嫌っています。テクニカル、コンテンツ両面でページロード時間を縮める努力をしてください。

 

4.ビジュアル: 良いデザインは、ブランドの専門性と信頼性を高めます。

ユーザーは美しいウェブサイトをより長く訪れる傾向があります。

 

5.セキュリティ: ウェブサイトが安全な(例えば、HTTPSを使用した)トランザクションを提供していることをユーザーが認識できると、信頼性が向上します。

 

ウェブサイトのコンバージョン率を向上させるには、上記5つをそれぞれ注意深く設計し、できれば専門家チームを組み、ウェブサイト設計のベストプラクティスを追及すべきです。

 

5.ソーシャルプルーフを活用する

ソーシャルプルーフとは、心理学用語で日本では「社会的証明」と訳されます。

人が他人の行動に従う傾向のことで、コンバージョンの強力な原動力となるものです。

それはカスタマーレビュー、ソーシャルメディアでのシェアやいいね数の表示、ケーススタディページの設置など、さまざまな形があります。

その製品やサービスが「信頼」に足るものであり、わざわざ問い合わせをする価値があることを示すことができれば、よりコンバージョン率を高めることができます。

ただし、ソーシャルプルーフは、本物かつ潜在顧客に関連するものでなければ効果はありません。偽のレビューや証言を追加すると、信頼が損なわれ、顧客のネガティブな印象につながります。

(参考:ナッジ等の行動科学の知見に関するご説明資料,三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社,2022年)

 

6.インセンティブと期間限定キャンペーンを提供する

製品サービス以外にユーザーにインセンティブを与えることや期間限定キャンペーンによって締切効果を利用することも、コンバージョン率を大幅に向上させることができる実績のあるメソッドです。

 

その背後にある科学は単純で、人間は、お金を節約したり、何か特別なものを受け取ったりする見込みがあると、ポジティブに反応するようにできているのです。

例えば、日本では子供のお菓子に「おまけ」がついてきます。マクドナルドのハッピーセットのおもちゃはその典型的な事例です。

BtoBビジネスのようなサイト内で直接購買行動が発生しないビジネスでも、無料資料ダウンロードや無料セミナーなどのページを設置することで、インセンティブの一種となり得ます。

 

期間限定キャンペーンも同様です。私が言うまでもなくあなた自身がよくわかっていると思いますが、人間は期間限定の期限が迫ると、切迫感や行動を起こす必要性を感じます。それを私は「締切効果」と呼んでいます。確実にコンバージョン率の向上に貢献します。

 

7.サイトに来訪しているはずの潜在顧客を「見込みリスト化」し継続的なコミュケーションを行う

サイトに来訪したユーザーのほとんどは「閲覧」するだけで去っていきます。

しかし、その中にこそ将来の顧客である「潜在顧客」が含まれており、それをただ指を加えて待つだけでは、コンバージョン率は上がりません。

 

例えばECサイトでカートに商品を入れたまま離脱し、その数時間後や数日後にそのECサイトから購買促進のメールが来たことはありませんか?

 

サイトに来訪したユーザーは必ずしも「今すぐ」サービスを必要としているユーザーばかりではありません。

むしろ中長期的な視点で来訪者を捉えるべきで、サイトに訪問した「潜在層」にこそ、実は宝の山です。

潜在層を見える可するためのツールとしてSNSフォロー促進、メルマガ登録、資料ダウンロード、無料セミナー実施などがあります。

そうすることで、潜在層が「見込みリスト」され、それらの「見込み客」とその後メールやSNSでよりインサイトの深いコミュケーションをとることが可能になります。

 

まとめ

コンバージョンとは、つまりはターゲットとするオーディエンスとそのニーズ、そしてバリュープロポジションを企業自身が理解し、それをいかにユーザーに知ってもらうかの活動に他なりません。

それに加え、顧客からのフィードバック、アンケート、ウェブサイト分析を通じて、コンバージョン率を定期的に分析し、継続的な改善を行い成長させていくことです。

効果的なコンバージョン戦略の構築には、細部へのこだわり、一貫性、そして定期的な最適化が必要であることを忘れないでください。

 

 

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【著者プロフィール】

楢原一雅(ティネクト取締役)

マーケティング担当