このコンテンツは有料note「webライターとメディア運営者の、実践的教科書(安達裕哉著)」より転載しています。
言語化能力についての文献
1.コピーライターが教える、キャッチコピーを作る能力として
2.ビジネスパーソンの思考術の一部として
3.自己啓発やカウンセリングとして
4.書く技術の一部として
5.「国語力」の一部として。
言語化能力とは何か
1.具体的なたとえ話ができること
2.抽象的に総括ができること
・端的に言うと、~です。
言語化能力を高める、日常の3つの習慣
1.書き出す
まず取り組んでほしいのは、「今、何が最も重要な課題だと思っているのか、それはなぜなのか」を仮説で良いから最初に書くことです。 考え抜いた「結果」を書くのではありません。書くことは思考の「過程」です。書くことで私たちは考えることができます。 研究手法を説いた『リサーチの技法』という本の第1章は「紙に書いて考える」です。研究を進めるうえで、何よりも書くことが最初に位置付けられているのです。同書では書くことの目的と効用を「覚えるため」「理解するため」「考えを検証するため」としており、書くことは単に考えた結果を外に出すための行為ではなく、思考の道具として捉えられています。コンピュータサイエンスの研究者サイモン・ペイトン・ジョーンズも、まず論文執筆をしてから研究や実験を始めるべきだと指摘しています。
では、どのようにしたら、考えを前に進めることができるようになるのか。 答えは簡単である。記憶域にあるものを一旦外に出して、考えることに集中できる環境を整えることである。 そのために、真っ先に行うべきことは、頭の中に浮かんでくる内なる言葉をとにかく書き出すことである。そして、目の前に書き出された内なる言葉を軸として、考えの幅を広げたり、奥行きを深めればいいのだ。 こうした段階を踏まずにいると、考えているようで、思い出しているだけの状態が続いてしまい、いつまでも同じところをぐるぐると行き来することになる。
2.書籍で調べる
ニュートンが解けなかった数学問題を私がいとも簡単に解いてしまうのは、数学的言語の量で私がニュートンを圧倒しているからである。知的活動とは語彙の獲得に他ならない(中略)読書は過去も現在もこれからも、深い知識、なかんずく教養を獲得するためのほとんど唯一の手段である。世はIT時代で、インターネットを過大評価する向きも多いが、インターネットで深い知識が得られることはありえない。インターネットは切れ切れの情報、本でいえば題名や目次や索引を見せる程度のものである。
映画にも必ず下敷きがある。過去の名作へのオマージュもある。特定の映画作家へのリスペクトもある。他の芸術作品や時事問題、歴史的事実を織り込んだ作品もある。それら下敷きになったものとどう関連しているか、どう発展させているかというのを、ちゃんと調べて指し示すと、読む人は「ああ、なるほど」となる。書くという行為において最も重要なのはファクトである。ライターの仕事はまず「調べる」ことから始める。そして調べた9割を棄て、残った1割を書いた中の1割にやっと「筆者はこう思う」と書く。つまり、ライターの考えなど全体の1%以下でよいし、その1%以下を伝えるためにあとの99%以上が要る。「物書きは調べることが9割9分5厘6毛」なのである。
ぼくは本書を、「読むこと」の話からはじめたい。それが取材の第一歩であり、「書くこと」の大前提だからだ。よき書き手であるためにはまず、よき読者であらねばならない。この順番が入れ替わることはぜったいにないと、断言しておこう。
事例のサーベイがある程度終わったら、次は大きめの書店に行き、自分の課題に関連する業界の本を端から端まで買うことをお勧めします。たとえば飲食業のSaaS(SoftwareasaService:サービスとしてのソフトウェア)ビジネスをしたいのなら、飲食ビジネスに関連する本を端から端まで買います。FinTechをするなら、銀行や決済に関連するテーマの本をすべて買いましょう。複数の本を買うと情報が重複している可能性もあり、無駄に思えるかもしれませんが、著者によって異なる視点から同じ物事を見ることができますし、重複しているのなら、その情報は誰の目から見ても重要だということが分かります。そうして業界の構造やトレンドを深掘りしていくのです。 専門書などは高額のものもありますが、事前に1冊3000円以下のものは全部買う、予算は10万円以内などと決めておいて、その範囲で「悩まずにすべて買う」ことを徹底してください。そうすれば、どの本を買おうかと悩む時間を読む時間に充てられますし、たった数万円と数十時間で、基礎となる情報が手に入ります。 業界紙のバックナンバーを2年分ぐらい読んでみるのも一つの方法です。どのように業界内のトレンドが変化してきたかを一気に学ぶことができます。その業界の数字の感覚を掴むことも意識して読みましょう。
3.発表し、人の意見を聴く
文章も同じように、短文を書けない人がいきなり長文を書くのは危険です。どんなに長い文章も、結局は短い文章の集まりです。「私はツイッターなんかじゃなくて、きちんとした文章が書きたいんだ」という人も、まずはツイッターという「散歩」から始めてみてはどうでしょうか? ツイッターで「ああ、こんな感じが求められてるんだな」「私はこういうテーマなら楽しく発信できそうだな」とわかってきたら、今度はそのテーマでnoteやブログを書いてみるのです。noteやブログが人気になってくると、今度はウェブメディアや出版社から声がかかるようになるかもしれません。するとさらに長文を書く機会も訪れます。 いきなり長文に挑戦しようとせず「短文→やや長文→長文」というように、書くレベルを少しずつ上げながら身につけていくといいでしょう。
(文責-ティネクト株式会社 取締役 倉増京平)
ティネクトの地方創生支援-人の移住よりも知の移転-
ティネクトでは創業以来、数多くの地方中小企業様のお手伝いをさせてきました。地方では人材不足が問題と思われがちですが、実際は「人材」の問題よりも先に「知」で解決することが多いと感じています。
特に昨今は生成AIの台頭で、既存の人材とAIの協働の可能性が高まっており、実際それは「可能である」というのが我々ティネクトの結論です。
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地方の経営者の皆様へ!生成AIと既存人材の協働に本気で取り組んでみませんか?
-生成AIにいきなり頼らないでください。社内タスクの言語化が必要です。
<内容>
1.労働市場の現状と人手不足への対応策
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2.生成AIを用いた新規顧客開拓の可能性
生成AIを活用して、新たな顧客層を発見しアプローチする方法について解説します。
3.企業の活用事例
日時:
2024/10/31(木) 15:00-16:00
参加費:無料
Zoomビデオ会議(ログイン不要)を介してストリーミング配信となります。
お申込みは
ティネクウェビナーページ
ご覧ください
【著者プロフィール】
安達裕哉
元Deloitteコンサルタント/現ビジネスメディアBooks&Apps管理人/オウンドメディア支援のティネクト創業者/ 能力、企業、組織、マーケティング、マネジメント、生産性、知識労働、格差について。
◯X:安達裕哉
◯有料noteでメディア運営・ライティングノウハウ発信中(webライターとメディア運営者の実践的教科書)