PR記事に「あるあるネタ」を積極的に利用することの効用

さて、今回は「株式会社Relic」の企業広報、

チャレンジしてもそれほど報われないのに、リスクだけは大きい「社内ベンチャー」制度を、どう変えたら良いか?

という記事について、考察します。

 

ページビュー数は約6,000、いいね!数は約700超、とビュー数はまずまずでしたが、「コメント」「意見」などの反響が大きかった記事です。

Relicは「社内ベンチャー支援コンサルティング」を事業の柱の一つとしており、そのPRの一環として、本記事を執筆しています。

 

 

さて、このコンテンツ、「広く読まれる」「バズを起こしたい」という意味では、実は話題選定には失敗しています。

なぜなら、「話題のマーケットサイズ」が小さいからです。

具体的に言えば、「社内ベンチャー」をやっている人は、絶対数が少ないのでこの記事はあまり拡散には向いていないと言えます。

 

しかし、自社のサービスや、経営理念を訴える際には、必ずしもマスを狙う必要はありません。むしろ焦点がぼけるので、伝えたいことが伝わらない、ということもありえます。

敢えて狭いゾーンを狙い、「刺さる人に刺されば良い」という考え方もあるのです。

 

Relic社はこの記事では「敢えて、マスは狙わない」という方針をとりました。

 

しかし、「刺さる人に刺されば良い」という考え方は一つ間違えば、独りよがりの面白くない記事が出来上がってしまいます。

また「記事を偶然目にした」人にも、最大限楽しんでもらうことに尽力することが発信者への信頼にもつながりますので、狭いターゲットに届けるという考え方で記事を作ったとしても、何かしらワンポイント、「どんな人にも役立つ知識」を入れておく必要はあります。

そこで、この記事では「あるあるネタ」を利用しました。

どんな人でも経験する「人事評価あるある」を引き合いに出したのです。

例えば以下の文章を、書籍から引用しています。

『多くの企業では失敗に対して厳しいペナルティが課され、成功に対する報酬は少ない。

(中略)

 結局のところ、イノベーションを起こすようにとリーダーがチームに伝える時に、 チームは耳を傾けてはいるが、彼らは実際には、リスクを取って失敗したチームが罰せられる事例を目にした時に、何が大切なのかを学ぶのだ。』

この文章は、必ずしも社内ベンチャーだけに当てはまるものではなく、「出る杭は打たれる」という、会社での「あるある」を引き合いに出しているため、一般の人でも十分共感できる内容になっています。

 

このように、ワンポイント、「あるある」のように一般の人でも楽しめる内容を入れておくと、ターゲットの狭い記事にも奥行きが生まれ、独りよがりの記事にならずに済むのです。

 

(了)