リスティング広告の種類は?代表的手法と特徴を一挙解説

はじめに

リスティング広告は、検索エンジンを利用するユーザーの流入を狙う代表的なWeb広告です。ユーザーが入力したキーワードに合わせて広告が表示される仕組みで、クリック課金制を採用しています。そのため、興味を持つ人だけがサイトに訪問しやすいという利点があります。広告が表示される場面は多岐にわたり、企業や個人事業主にとって手軽に見込み顧客へアプローチできる点が注目されています。

一般的には「検索連動型広告」という言葉が使われることが多いですが、広義ではディスプレイ広告も含まれるため、リスティング広告は検索連動型広告よりも広い概念です。利用する際は、自社の商品やサービスに合った配信面を検討し、無駄のない運用を目指すことがポイントです。自動化や機械学習の進歩により、初心者でも参入しやすくなっています(参照*1)。

本記事では、リスティング広告の基本概念を踏まえ、その種類と代表的な手法を整理し、特徴を分かりやすく解説します。広告出稿を検討中の方や運用をさらに最適化したい方に向けて、具体的な媒体や出稿形式の選び方にも触れながら、実務ですぐに役立つ知見を提供します(参照*2)。

検索連動型広告の概要と特徴

検索連動型広告の仕組みとメリット

リスティング広告の主軸となるのが検索連動型広告です。これは、ユーザーが特定のキーワードを検索したタイミングでテキスト広告が表示される仕組みです。

たとえば「転職サイト」や「引越し費用」といったキーワードで検索した直後に広告が表示されるため、ニーズが顕在化している相手に効率的な訴求が可能です。クリック課金制で、広告がクリックされた場合のみ費用が発生します。自社で選定したキーワードをもとに広告を配信できるため、購買意欲の高いユーザーへアプローチしやすい点が特徴です(参照*2)。

 

主要媒体ごとの特徴とユーザー層

代表的な媒体はGoogle広告、Yahoo!広告、Microsoft広告の3つです。Google広告は日本国内で最もシェアが高く、多くのユーザーにアプローチできる点が魅力ですが、クリック単価はやや高めになる傾向があります。

Yahoo!広告は40代以上の利用者が多いとされ、特定の年代へ効果的にアピールしやすい特徴があります(参照*3)。

Microsoft広告はBingを配信面とし、出稿企業が少なかった時期はクリック単価が低い傾向がありましたが、近年は利用者の増加に伴いCPCや競合状況も変化しています。BtoB商材の場合、Microsoft広告でコンバージョンが取りやすい事例も見られます(参照*4)。

 

ディスプレイ広告やその他の種類

ディスプレイ広告の特徴と活用シーン

リスティング広告は検索連動型広告だけを指す場合が多いですが、広義にはディスプレイ広告も含まれます。ディスプレイ広告はウェブサイトやアプリのバナー枠などに配信され、興味関心や行動履歴にもとづいて潜在顧客へ訴求する仕組みです。

画像や動画を使って商品を視覚的に訴求できるため、ブランド認知の向上にも役立ちます。特に、見た目が購買決定要因となる商材や、認知拡大を狙う場合に有効です(参照*5)。

 

ショッピング広告・商品リスティング広告の概要

ショッピング広告や商品リスティング広告(PLA)は、検索結果に商品画像や価格が表示される形式です。ユーザーに視覚的な訴求ができるため、特に小売業界やEC事業者に人気があります。

クリック後の購買意欲が高い顧客を集客しやすい点も特徴です。Google Merchant CenterとGoogle広告を連携し、商品フィードをもとに広告が自動生成されます。商品画像・価格・店舗名などの情報が正確に表示されるほど、クリック率や成約率が向上します(参照*6)。

 

動的検索広告・リマーケティングの活用

動的検索広告は、ウェブサイト上のコンテンツに合わせて自動的に広告文が生成される仕組みです。リマーケティングは、過去にサイトを訪問したユーザーを再度ターゲットに設定し、再訪問やコンバージョンを促します。

これらの手法は、限られた予算でも効率よく見込み顧客へ到達できる点が注目されており、新規ユーザーの獲得と既存ユーザーの再来店を両立する方法として多くの企業で実践されています(参照*7)。

 

主要3媒体の特徴と選び方

Google広告・Yahoo!広告・Microsoft広告の比較

リスティング広告を運用する際、Google広告、Yahoo!広告、Microsoft広告の3媒体をどう使い分けるかが重要です。Google広告は国内シェアが高く、多様なオーディエンスへアプローチできます。

Yahoo!広告は独自の検索傾向やユーザープロファイルがあり、特定の年齢層への到達を狙う際に有用です。Microsoft広告はBingが検索エンジンとして利用される範囲が限定的ですが、BtoB分野など一部の商材で安定した成果を期待できる事例があります。

媒体ごとに配信面やユーザー層、クリック単価、コンバージョン単価(CPA)などの傾向が異なるため、商材やターゲットに合わせて選定することがポイントです(参照*3)。

 

媒体選定と運用開始の流れ

初めてリスティング広告を運用する場合は、Google広告1本で配信を開始し、成果が得られた時点でYahoo!広告やMicrosoft広告を追加していく流れが一般的です。

これは予算を集約して配信を最適化し、データ分析をしやすくするためです。BtoB向けサービスではMicrosoft広告を優先的に検討するケースもあります。広告戦略を立案する際は、ターゲット層の検索動向を調べ、どの媒体が最適かを検討することが重要です(参照*8)。

 

媒体ごとの運用上の注意点

利用する媒体によって品質スコアや入札ロジックが異なる点にも注意が必要です。Google広告では広告の関連性やランディングページの品質が掲載順位に大きく影響し、Yahoo!広告でも広告品質が低いとクリック単価が上昇する場合があります。Microsoft広告はデータが得られるまでに時間がかかることもあるため、十分な期間を設定したテストが推奨されています(参照*9)。

 

運用のコツと効果的な活用ポイント

キーワード選定と広告文の最適化

リスティング広告で成果を上げるには、キーワードマッチタイプの活用や広告文の最適化が欠かせません。初心者は完全一致やフレーズ一致をベースに始め、不要な検索語を除外キーワードに設定することで無駄なクリックを抑え、費用対効果を高められます。広告文は見出しや説明文を複数パターン作成し、A/Bテストを行いながら改善を重ねることがポイントです(参照*6)。

 

広告フォーマットと配信手法の組み合わせ

ショッピング広告やディスプレイ広告を並行活用することで、新規ユーザーへのアプローチと顕在層への直接訴求を同時に実現できます。検索連動型広告で顕在ニーズを捉えつつ、ディスプレイ広告で潜在顧客に定期的にメッセージを届けることで、ブランド認知とコンバージョンの両面を狙うことが可能です。

予算配分は出稿初期から定期的に見直し、全体最適を意識することが重要です。スマートキャンペーンやP-MAXなどの自動化機能を活用すれば、運用工数を削減しながら効率を高めることもできます(参照*5)。

 

自動化活用時の注意点とモニタリング

自動化機能に頼りすぎると、クリック単価の高騰や低品質な流入が発生する場合もあるため、定期的なモニタリングが欠かせません。検索語句レポートや広告ランクの変動、コンバージョンの内訳などを細かくチェックし、必要に応じてキーワードの追加・削除や入札単価の調整を行うことで、安定した成果を維持しやすくなります。

 

まとめ

リスティング広告は、検索意図の高い顕在層を素早く獲得できる点と、ディスプレイ広告などを用いて潜在需要にも訴求できる点が大きな強みです。限られた予算でも適切なキーワード設定と広告運用を組み合わせれば、短期間で見込み顧客からのアクセスを増やし、売上や問い合わせ数の向上を図ることができます。

また、媒体によってユーザー層やクリック単価の傾向が異なるため、自社の商品やサービスに応じて媒体の選定や広告配信方針を工夫することが重要です。Google広告の幅広いリーチやYahoo!広告の強み、Microsoft広告の特定分野での可能性を理解したうえで、段階的に運用を組み合わせるやり方が一般的です。

本記事で紹介したリスティング広告の種類と特徴を踏まえ、まずは小規模な予算でテストを行い、効果を見極めながら運用を重ねるとよいでしょう。検索連動型広告とディスプレイ広告、ショッピング広告などを柔軟に活用し、入札調整や広告文の作り込みを進めることで、成果の最大化が可能になります。

監修者

楢原 一雅(ならはら かずまさ)
ティネクト株式会社 取締役

広告業界・教育業界での営業経験を経て、2014年にティネクトを共同創業。オウンドメディア「Books&Apps」を立ち上げ、月間200万PV超のメディアに成長させる。現在はBtoB企業向けに、コンテンツマーケティング支援を推進。

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