キーワード選定で失敗しないリスティング広告運用法とは?

はじめに:リスティング広告とキーワードの基本理解

リスティング広告は、検索結果ページやSNSなど、さまざまな場面でユーザーの検索意図に合わせて表示される広告の総称です。特に検索エンジンの結果画面に表示される検索連動型広告は、ユーザーが特定の語句を検索した際に広告が表示される仕組みとなっています。キーワードを登録することで、興味や目的が明確な層へ効率的に訴求できる点が大きな利点です。日本ではGoogleとYahoo!が主要な広告媒体として知られており、Googleはスマートフォン利用者を中心に約7割の検索シェアを持っています。一方、Yahoo!はPC利用者の多さが強みで、両方の媒体に広告を出稿して運用する企業も多く見られます。いずれもクリック課金型(PPC)が基本であり、検索意図と広告の関連度が高いほど費用対効果を高めやすいといえます(参照*1)。

リスティング広告には多様な種類が存在します。テキスト広告だけでなく、ショッピング広告やSNS上の検索広告なども登場しており、どの手法を選ぶかは商材や目的によって異なります。こうした多様化した環境の中で共通する重要なポイントは、自社の商品やサービスの特徴を的確に表すキーワードを正しく選定することです。購買意欲が高い語句を漏れなく登録することで、広告の表示機会を逃しにくくなります。逆に関連性の低い語句で配信すると、無駄なクリック費用が発生しやすくなります。キーワードはリスティング広告の軸となり、投資対効果を大きく左右する要素です(参照*2)。

キーワードの役割と選定時の着眼点

キーワードの重要性と選定の基本

キーワードはリスティング広告の成果を左右する最も重要な要素の一つです。特に顕在層にアプローチする場合、ユーザーが持つ関心や検索意図を正確に読み取り、それに合致する語句を選ぶことが成果につながります。たとえばECサイトのショッピング広告では、商品名やカテゴリー名、特徴を端的に示す用語を網羅的に登録することで、購買ニーズを的確に捉えやすくなります。ビッグキーワードだけを追いかけると競合が激化し、クリック単価が高騰するリスクがあるため、ロングテールと呼ばれる複合語も含めて網羅性を高めることが理想的です(参照*3)。

購買段階ごとのキーワード設計

商材やサービスの特徴に応じて、ユーザーの購買段階を意識したキーワード選定が有効です。情報収集段階で使われる語句と、購入直前に使われる語句では重要度が異なります。購買直前のユーザーは具体的な商品名や型番、ブランド名などを入力する傾向があり、これらの語句を捉えることで費用対効果の高い集客が可能です。初期検討段階の語句はコンバージョンには直結しにくいものの、潜在顧客の興味を引き込む場として有効です。複数の段階を想定し、キーワードを階層的に整理してキャンペーン構造に反映することで、ユーザーの検索目的と広告文、ランディングページの関連性が高まり、広告ランクの向上やクリック単価の抑制にもつながります(参照*4)。

配信精度を高めるテクニック:動的検索広告や除外語設定の活用

動的検索広告の活用と注意点

リスティング広告では、すべてのユーザーが同じ言葉で検索するわけではありません。多様な検索意図を網羅する方法の一つが動的検索広告(DSA/DAS)です。これはウェブサイトの内容や商品データを自動的に分析し、関連性の高い検索語句に広告を出稿する仕組みで、想定外の語句からも検索流入を獲得できる利点があります。実際、過去6ヶ月間に新規で検索された語句の割合は約33.1%とされており、動的検索広告は新しいキーワードの発掘にも役立ちます(参照*5)。ただし、思わぬクエリにも広告が表示されることがあるため、あらかじめ除外キーワードを設定しておくことが重要です。

検索語句レポートと除外キーワードの運用

Google広告やYahoo!広告が提供する検索語句レポートを活用することで、実際にユーザーが入力した語句を把握できます。費用対効果が低い語句を除外し、新たに発見した高意図の語句を追加登録することで運用効率が向上します。キーワードマッチタイプの使い分けも配信精度に直結する要素です。完全一致を中心にするか、部分一致で広く拾うかは広告予算や目的によって異なりますが、いずれの場合も無駄な配信を防ぐために除外語を効果的に設定することが欠かせません。自動化ツールを活用しつつも、定期的なメンテナンスと分析を行うことで、安定した成果につながります(参照*6)。

ショッピング広告との連携で広がるキーワード活用の可能性

ショッピング広告の特徴とキーワード連携

ECサイトやオンライン商材を扱う場合、ショッピング広告の活用は大きな強みとなります。商品画像と価格情報が検索結果とともに表示されるため、購入意欲の高いユーザーへの直接的な訴求力が高まります。特に画像による視覚的訴求は、テキスト広告よりもクリック意欲を高める効果が期待できます。商品タイトルや説明欄の語句を整備し、実際の検索語句との関連性を高めることで、表示回数やクリック率の向上が見込めます。複数の商品カテゴリーを扱う場合は、商材ごとの検索需要に即したキーワードを見極め、商品フィードやデータフィードに反映させることが重要です(参照*7)。

ショッピング広告運用におけるデータ分析と最適化

ショッピング広告では、オークション時に商品の品質や価格、在庫情報も評価される傾向があります。競合他社が同ジャンルの商品を複数出稿している場合、キーワードとのマッチだけでなく、商品情報の充実度が成果を左右します。広告出稿後は、商品ごとのクリック率やコンバージョン率、ROASなどの指標を詳細に追いながら調整を続けることが求められます。特に単価の高い商材や季節変動が大きいジャンルでは、時期に合わせたキーワードの入れ替えや商品タイトルの最適化をこまめに実施することが成果向上のポイントです(参照*8)。

まとめと次への歩み

キーワード選定で失敗しないリスティング広告運用を実現するには、まず自社商品やサービスの特性を深く理解し、ユーザーの検索意図を正しく想定することが重要です。大きな語句だけに偏らず、購買に直結する具体的な語句や潜在ニーズを捉える複合語も積極的に取り込み、配信漏れを防ぐことが成果につながります。さらに、動的検索広告やショッピング広告を導入する際は、自動化ツールに任せきりにせず、定期的な分析やメンテナンスを行い、精度を高めることが欠かせません。除外キーワードや広告文の更新を怠ると、無駄な費用や本来届けたいユーザーの取りこぼしにつながるリスクが高まります。

今後、検索エンジンやSNSの機能拡張が進むことで、広告の配信面や掲載形式の可能性はさらに広がると考えられます。どのチャネルでも核となるのはキーワードの選定と運用の最適化です。適切な語句を選び続け、高い成果につながる広告運営を追求することが、リスティング広告運用者に求められる役割といえるでしょう。

監修者

楢原 一雅(ならはら かずまさ)
ティネクト株式会社 取締役

広告業界・教育業界での営業経験を経て、2014年にティネクトを共同創業。オウンドメディア「Books&Apps」を立ち上げ、月間200万PV超のメディアに成長させる。現在はBtoB企業向けに、コンテンツマーケティング支援を推進。

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