効果的なオウンドメディア運営のための基本的KPI

効果的なオウンドメディアの運営は、単に魅力的なコンテンツを備えた視覚的に魅力的なウェブサイトを作ることではありません。

 

サイトのパフォーマンスを継続的に向上させ、ビジネスで成果を上げるためのデータに基づいた正しいアプローチが必要です。

 

そこで、すでにオウンドメディアを運営している我々(つまり専門家!!)が、すぐに使える超基本的だけど超重要なオウンドメディアのKPIを紹介します。

 

1.KPIとゴールの設定

具体的な目標やKPIを設定するためには、ターゲットとなる「オーディエンス」とその「ニーズ」を理解することが不可欠です。

例えば、ターゲットがシニア世代であれば、彼・彼女らの興味、嗜好、購買行動に沿った目標を設定する必要があります。

目標設定では、SMARTフレームワークと呼ばれる、適切で明確な目標を立てるために欠かせない5つの要素を含んだフレームワークがよく使われます。

S(Specific:具体的に)

M(Measurable:測定可能な)

A(Achievable:達成可能な)

R(Related:経営目標に関連した)

T(Time-bound:時間の制約がある)

GoogleアナリティクスでもGoogle自身が「スマートゴール」を設定することを推奨しています。

“スマートゴールの仕組み

スマートゴールはビュー単位で設定します。スマートゴールでは、ウェブサイトのセッションに関する多数のシグナルを機械学習で分析して、コンバージョンにつながる可能性が高いセッションを識別します。各セッションにはスコアが割り当てられ、最も品質の良いセッションがスマートゴールに変換されます。スマートゴール モデルで分析されるシグナルの例としては、セッション継続時間、セッションあたりの閲覧ページ数、地域、デバイス、ブラウザがあります(リマーケティング スマートリストでは、類似の機械学習で最適なユーザーが特定されます)。”

Google アナリティクス スマートゴール

それらを踏まえて

オウンドメディアのKPIとしては特に有効なものは以下です。

○ウェブサイトのトラフィック

○サイト滞在時間

○直帰率

○コンバージョン率

○ソーシャルメディアエンゲージメント

○メール購読者数

 

これらは超基本的なKPIとしてお馴染みですが、ここで注意すべきは成果目標が大きく2つに分けられる点です。

サイトの集客力そのものに着目したKPIとサイトに来訪したユーザーから今後アクセス可能なユーザー数の獲得に着目したKPIの2種類があり、前者は一般的に「認知」の獲得、後者はコンバージョン(以下CV)による「リスト」の獲得に貢献する数値です。。

 

それらを踏まえて2つに分けると、以下のようになります。

認知獲得に関わるKPI

○ウェブサイトのトラフィック  →  page_viewやユーザー数

○サイト滞在時間 → 1記事ごとの記事滞在時間

○直帰率 → エンゲージメントが発生しなかった割合 

※エンゲージメントとは

エンゲージメント セッションとは、10 秒を超えて継続したセッション、コンバージョン イベントが発生したセッション、または 2 回以上のページビューもしくはスクリーン ビューが発生したセッションです。

[GA4] エンゲージメント率と直帰率

 

リスト獲得に関わるKPI

○コンバージョン率 → 来訪者がサイトでアクション(GA4ではイベントとして計測)を起こした率 例 資料ダウンロード、メルマガ登録等

– ソーシャルメディアエンゲージメント → SNSでのインプレッションやフォロワーの獲得等

– メール購読者数 → メール配信可能なemailアドレス獲得数

 

上記で紹介した

認知獲得に関わるKPI

リスト獲得に関わるKPI

に企業の商材、マーケット等、予算規模等でそれぞれつールを設定することで効果的なオウンドメディアのKPIとなります。

 

2.スマートゴールとして設定したKPIを追うためにウェブサイト解析を行う

オウンドメディアの効果測定は、つまりスマートゴールとして設定したKPIを解析することになりますが、その本質はその解析からターゲットオーディエンスの行動や、ウェブサイトコンテンツとの関わり方について洞察を得ることです。

 

例えば、

○サイト滞在時間 → 1記事ごとの記事滞在時間

と上記で紹介しましたが、記事滞在時間とは何を意味しているのでしょうか?

 

それは端的に言うと、その「記事の質の高さ」を意味しています。

なぜなら「今この瞬間に読むべき記事である」と判断した結果の積み重ねが、記事滞在時間に現れるからです。

このようにKPIの「数値」にあるユーザーの行動の真意を知ることが効果測定の最も重要な部分です。

 

 

3.A/Bテストを実施し、ウェブサイトパフォーマンスを最適化する

A/Bテストは、Webサイトのパフォーマンスを向上させるための効果的な運用手法の一つです。

 

ユーザーをランダムに2つ以上のグループにに分けて、2つ以上のバージョンのウェブサイトページを同時に実行し、どのバージョンがエンゲージメントとコンバージョンの面でより良いパフォーマンスを示すかを測定するものです。

 

もはやweb上の施策をする上ではほぼ標準的な「作業」だと思っても差し支えないほど必須の施策です。

なぜならば、事前にどのような施策が良いかは、基本的には「わからない」からです。

もしこれを怠れば、サイトのベストプラクティスを見逃している可能性があります。さらに言うと、ABテストをすることに、物理的なコストがほぼかからず、やるかやらないかは施策実施者の「やる気」だけです。

 

テスト可能な要素の例としては

– ヘッドライン

– コール・トゥ・アクション

– 画像と動画

– カラースキーム

– ウェブサイトのレイアウト

があります。

注意すべき点は、実施する場合は「迅速」に行う必要があることです。

あくまでもベストプラクティスを引き出すための「実験」であることを忘れないようにしてください。

 

4.データをもとにオウンドメディアサイトを継続的に改善する

最後に、KPI、分析、A/Bテストに基づき、それらをあなた(もしくはあなたの部門、会社)でそれらをタスク化して、継続的に実施することができるようにすることです。

 

これらの対策を実施することで、オウンドメディアサイトのパフォーマンスを向上させ、ビジネス目標を達成することができます。

継続的に改善する文化を取り入れることで、刻々と変化するターゲットオーディエンスの嗜好に対応し、競合他社をリードすることができます。

 

 

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