このコンテンツは有料note「webライターとメディア運営者の、実践的教科書(安達裕哉著)」より転載しています。
今回は、前回の記事
この記事を作成した際の、「ChatGPTへの具体的な命令文」をもとに、高品質な記事の出力のさせ方を解説します。
1.ChatGPTを使う準備
まず準備として、翻訳ソフトを用意してください。
これは、ChatGPTの性能をフルに引き出すために、英語でやり取りをする必要があるからです。
私はすでにDeepL翻訳を使っていたので、DeepLを使いましたが、実際は何でも大丈夫だと思います。
なお、ChatGPT自体も翻訳機能を備えていますが、
・動作が遅い
・記事を書くスレッドと、翻訳スレッドを分けないといけない
という2つの理由から、DeepL翻訳を併用する形にしています。
なお、以下の記事においては、英語を介在させると記事が読みにくくなりますので、すべて日本語訳された状態で記述しています。
実際には命令文は英語、ChatGPTからの出力も英語なので、実際には、日→英→ChatGPT→英→日 という過程を経て、日本語の記事ができています。
また、ChatGPTのモデルはGPT-4にしてください。
記事の質を追求するのであれば、スピード重視ではなく、性能の良いほうで記事を書く必要があります。
なお、以下の記事において、具体的な命令文は、
命令文
のように、引用網掛けで、示した部分です。
また、ChatGPTの出力した文章は、
出力文
のように、網掛け+太字で示しています。
2.ChatGPTに、目次を作らせる
ChatGPTが出力できる文字数はそれほど多いものではありません。
そこで、上位の項目から、順を追って出力してあげる必要があります。
そのため、私が最初にChatGPTに出した指示は、以下のものでした。
”記事作成におけるChatGPTの上手な使い方”について、記事を書くとしたら、どのような構成にしますか?大項目中項目小項目上記のフォーマットでで見出しを作成してください。
これに対して、ChatGPTの出力した記事は、以下の内容でした。
タイトル:ChatGPTの力を利用して効果的な記事作成を実現するI. はじめにA. ライティングにおけるAIの登場B. 記事作成におけるChatGPTの役割II. ChatGPTの理解A. ChatGPTを支える技術1.GPT-4アーキテクチャ2.トレーニングプロセスB. 特徴・機能1.自然言語処理2.知識ベースと限界III. ChatGPTを記事作成に活用するメリットA. 時間短縮と効率化1.迅速なアイデア発想2.研究能力の向上B. クリエイティブなインスピレーション1.多様な視点を提供する2.トピックに対する独自のアプローチを提案するC. 編集・校正の補助1.文法・構文チェック2.読みやすさの向上IV. 記事作成におけるChatGPTの活用のベストプラクティスA. AIを効果的に誘導する1.明確で具体的なプロンプトを提供する2.望ましい結果を得るための会話の構造化B. ファクトチェックと補足的な調査1.正確性・信頼性の確保2.常に最新の情報を入手することC. 人間の創造性とAIのアシストを融合させる1.ChatGPTに頼るべきタイミングを知る2.個人の声とスタイルを維持するV. 倫理的配慮と潜在的な落とし穴A. 責任あるAIの使用1.AIによる支援に感謝する2.盗作や知的財産権の問題を回避するためにB. AIへの過度の依存1.人間の入力とAIが生成したコンテンツのバランス2.クリティカルシンキングとクリエイティビティを奨励するVI. おわりにA. AIアシストライティングの未来B. ChatGPTの可能性を記事作成に取り込む
かなりあいまいな指示で、これほどの項目を網羅的に示してくれるのは、AIの優れた点ですが、冷静になってこれを読んでいただくとわかりますが、正直なところ、ChatGPTの出力は「面白くない、読みたくない」と感じました。
例えば、次の部分です。
I. はじめにA. ライティングにおけるAIの登場B. 記事作成におけるChatGPTの役割
学術論文であれば、上の2つは必要な項目かもしれませんが、こんな能書きのような部分を読みたいと思う人がいるでしょうか?明らかにこの部分は冗長です。
同様に、以下の部分も記事としては冗長です。
II. ChatGPTの理解III. ChatGPTを記事作成に活用するメリットV. 倫理的配慮と潜在的な落とし穴
私が欲しいのは、具体的なChatGPTの使い方、すぐに役立つノウハウ、つまり
IV. 記事作成におけるChatGPTの活用のベストプラクティス
の部分だけです。これでは記事としては内容に少し不足があります。そこで、もう少しChatGPTに、ネタを提供させることにしました。それが、以下の命令です。
もう少し続けてください。
ChatGPTは、続けてくれ、というと前の命令に関して、さらに追加のネタを出してくれます。その結果が、以下です。
タイトル:ChatGPTの力を利用して効果的な記事作成を実現するVII. ケーススタディ 記事作成におけるChatGPTの活用成功事例A. ジャーナリズムの強化1. 報道を加速させる2. 調査報道を支援するB. コンテンツマーケティングとSEO最適化1. 魅力的なブログ記事を作成する2. キーワード調査・統合の効率化C. 学術的な研究・執筆1. 文献調査の補助2. リサーチクエスチョンと仮説の作成VIII. ChatGPT統合のための高度な技術A. カスタマイズと微調整1. ChatGPTを特定の業界やニッチに適応させる2. 専門知識セットに関するトレーニングB. ChatGPTを使った共同執筆1. ライティングチームでのChatGPTの活用2. ベストプラクティスの共有と他者からの学びC. AIの新機能やアップデートを探る1. GPT技術の進歩に関する情報の入手2. 新しい機能・ツールへの対応IX. 記事作成におけるChatGPTの課題と限界A. 複雑な話題やニュアンスの異なる話題への対応1. ChatGPTの理解力の限界を認識する2. デリケートな被写体を正確に表現することを確保するB. 偏見や誤報に対処する1. 潜在的なバイアスを特定し、軽減する2. AIが生成したコンテンツの不正確な情報や誤報を修正する。C. 倫理的・法的な意味合いでのナビゲート1. データプライバシーに関する懸念の理解2. AIが生成するコンテンツに関連する規制への対応X. 記事作成におけるAIの未来に備えるA. 進化する作家の役割とAI1. 新しいコラボレーションの機会を認識する2. 責任とスキルセットの変化B. AIを活用したイノベーションの可能性を取り込む1. 新しいフォーマットやジャンルを開拓する2. 小説の文体や技法を身につけるC. 責任あるAI活用の文化を醸成する1. 透明性・説明責任の推進2. ライティング・コミュニティにおける倫理的なAIの実践を奨励する。
つづけて案を出してもらった所、少し面白そうなノウハウが出てきました。具体的には以下の部分です。
VIII. ChatGPT統合のための高度な技術A. カスタマイズと微調整1. ChatGPTを特定の業界やニッチに適応させる2. 専門知識セットに関するトレーニング
この部分は、「ChatGPTの使い方」として、もう少し深堀したい部分ですが、ChatGPTが出せる『ネタ』はある程度で尽くしました。
そこで、ChatGPTが出した目次から、私にとって必要な部分の目次だけを抜粋して組み合わせ、ChatGPTに書かせたい記事の、目次を作りました。
3.ChatGPTに記事を書かせる
さて、目次を作ったうえで、「記事を書いて」とChatGPTに命令します。その目次と、命令文は以下のものです。
ここに示すタイトルと章立てで、3000字程度の記事を書いてください。ーーーータイトル 記事作成におけるChatGPT活用のベストプラクティスA. AIを効果的に誘導する1. 明確で具体的な指示を出す2. 望む結果を得るために会話を構成するB. ファクトチェックと補足的な調査1. 正確さと信頼性を確保する2.最新に保つC. 人間の創造性とAIのアシストの融合1.ChatGPTに頼るべきタイミングを見極める2. 個人の声とスタイルを維持するD. カスタマイズして微調整する1.ChatGPTを特定の業界やニッチに適応させる。2.自分の専門知識セットに関するトレーニングE. 記事作成におけるChatGPTの課題と限界1.ChatGPTの理解力の限界を認識する。2.ChatGPTで思うような結果が得られない時の対処法また、その際、以下の条件を満たしていること。1.ChatGPTに精通している人が書いた記事であることを前提とする。2. ターゲット読者は、ChatGPTをすぐにでも使い始めたい人であること。3. すぐに実践できるような内容を盛り込む。4. 主張に対しては根拠を示し、出典を明示してください。5. 文体については、以下を参考にしてください。丁寧で、語りかけるような口調で。難しい言葉はなるべく避ける。読者が飽きずに最後まで読めるような記事にする。
なお、上を見ていただいて分かると思いますが、記事を書かせるときの命令文のコツは以下です。
1.文字数を指定すること
2.タイトルと、目次を提供すること
3.筆者のプロフィールを指定すること
4.ターゲット読者を指定すること
5.「すぐに実践できる」と指定すること
6.主張に根拠を示させ、かつ出典を明示させること
7.文体を指定すること
これは、繰り返しChatGPTに記事を出力させたときに、現状では記事の質がダイレクトに変わる7つの命令テンプレです。
そして、これに対するChatGPTの出力は、以下のものでした。
タイトル 記事作成におけるChatGPT活用のベストプラクティスライターやコンテンツクリエイターを目指す皆さんは、OpenAIが開発した最先端の言語モデル「ChatGPT」を目にしたことがあるかもしれません。ChatGPTは、コンテンツ制作のあり方を大きく変える強力なツールですが、それを効果的に使うには、その長所と短所をしっかりと理解することが必要です。この記事は、ChatGPTのポテンシャルを活かして高品質な記事を作成する準備ができた方に向けて書かれています。ベストプラクティス、実践的なヒント、遭遇する可能性のある課題などを取り上げ、スムーズで楽しい読み物としてお届けします。A. AIを効果的に誘導する1.明確で具体的な指示を出すChatGPTを利用する際には、AIが思い通りのコンテンツを生成できるよう、明確かつ具体的な指示を出すことが重要です。曖昧なままだと、あまり良い結果が得られないこともありますし、簡潔な指示の方が良い結果が得られることもあります。例えば、「記事の紹介文を書いてください」ではなく、「ストレス解消のための瞑想の利点についての記事の魅力的な紹介文を書いてください」と、トピックとゴールを具体的に示してください。2.望ましい結果を得るために会話を構成するChatGPTとの効果的なコミュニケーションには、AIを望ましい結果に導くために会話を構成することが必要です。依頼内容をより小さく、管理しやすいステップに分解することで、AIが集中力を維持し、意図したコンテンツを作成できるようになります。例えば、長文の記事を作成する場合、一度に全体を依頼するのではなく、ChatGPTにアウトラインの作成を依頼し、その後、特定のセクションを作成するようにします。B. ファクトチェックと補足的な調査1.正確さと信頼性を確保するChatGPTは強力な言語モデルですが、生成された情報を検証することは不可欠です。ファクトチェックは、コンテンツの正確性と信頼性を維持するために非常に重要です。ChatGPTが提供するデータを、学術誌やニュース、定評のあるウェブサイトなど、信頼できるソースと照らし合わせてください2.最新情報の維持ChatGPTの知識は、2021年9月までのデータに基づいているため、最新の動向や研究に精通していない可能性があります。責任あるコンテンツ制作者として、AIが生成したコンテンツを信頼できるソースからの最新情報で補完し、記事の最新性と適切性を保つようにしてください。C. 人間の創造性とAIのアシストを融合させる1.ChatGPTを利用するタイミングを知るChatGPTはコンテンツ制作において貴重な資産となり得ますが、その限界を認識することが不可欠です。AIは、アイデアや提案、テキストの一部分全体を生成するための強力なツールですが、人間の創造性や批判的思考を代替するものではありません。ChatGPTは、あなたのアイデアを補うためのリソースとして活用できますが、あなたのユニークな声と視点こそが、コンテンツを真に魅力的なものにすることを忘れないでください。2.個人の声とスタイルを維持するChatGPTを使用する場合、個人の声とライティングスタイルを維持することが重要です。AIが生成したコンテンツを編集し、あなたのトーン、価値観、メッセージと一致することを確認します。こうすることで、まとまりのある魅力的な記事を作成できるだけでなく、AIツールが生成した無数の作品とあなたの作品を区別することができます。D. カスタマイズと微調整1.ChatGPTを特定の業界やニッチに適応させる。ChatGPTは、様々な業界やニッチに合わせてカスタマイズできる汎用性の高いツールです。特定の分野のコンテンツの例をAIに提供することで、より適切で文脈に沿った正確な結果を生成するように訓練することができます。ChatGPTの出力は、あなたの特定のニーズに合わせてカスタマイズすることができますし、ターゲットオーディエンスの期待に応える高品質のコンテンツで報われるでしょう。2.あなたの専門知識でトレーニングもしあなたが独自のスキルや専門性を持っているのであれば、その知識をChatGPTにトレーニングさせることを検討してください。AIに特定の情報、専門用語、およびあなたの領域の概念を教えることで、あなたの専門知識を正確に反映したコンテンツを生成する能力を高めることができます。これにより、記事の品質が向上するだけでなく、その分野の権威として位置づけられるようになります。E. 記事作成におけるChatGPTの課題と限界1.ChatGPTの理解力の限界の認識ChatGPTは強力な言語モデルですが、その限界を理解することが不可欠です。このAIが理解するのは、真の意味での理解ではなく、接触したテキスト内のパターンや関連付けに基づくものです。そのため、一見もっともらしく見えても、事実と異なる内容や無意味な内容を生成することがあります。AIが生成したコンテンツの正確性と関連性を確認するために、精査し、修正する準備をしてください。2.ChatGPTで思うような結果が得られないときの対処法ChatGPTが思うような成果を上げられない場合は、指示を修正したり、別のアプローチを試したりすることを検討してください。リクエストの内容をより小さなタスクに分解したり、AIを誘導するための追加のコンテキストを提供する必要があるかもしれません。
読んでいただくまでもありませんが、この出力もまだ『面白くありません』記事をさらにブラッシュアップする必要があります。
では、どのようにこれをブラッシュアップすればよいでしょう。
4.ChatGPTに細かく指示を出して、記事を洗練させる
ChatGPTへの指示の大原則は、「分割する」ことにあります。
つまり、上で書かせた章ごとに、さらに掘り下げて執筆させることで、記事を洗練させることができます。
そこで、A 1.明確で具体的な指示の提供 の部分だけを取り出して、さらに掘り下げて、記事を生成させます。
以下の項目をさらに掘り下げて、3,000字程度で書いてください。制約条件は、冒頭で示したものと同じです。1.明確で具体的な指示の提供ChatGPTを利用する際には、AIが思い通りのコンテンツを生成できるよう、明確かつ具体的な指示を出すことが重要です。曖昧なままだと、あまり良い結果が得られないこともありますが、簡潔な指示であれば、より良い結果が得られることもあります。例えば、「記事の紹介文を書いてください」ではなく、「ストレス解消のための瞑想の効果について、魅力的な紹介文を書いてください」と、トピックとゴールを具体的に示してみてください。
この命令に対して、ChatGPTは次のような結果を返しました。
この出力は、かなり私が求めている粒度に近く、新しい知見がもたらされていると感じました。
このように「具体例」が入ってくると、とたんに記事の価値が上がります。
1.明確で具体的な指示を出すChatGPTを使った記事作成では、明確で具体的な指示を出すことの重要性は言い尽くせません。曖昧な指示を出すと、満足のいく結果が得られないことがありますが、明確な指示であれば、より良い結果が得られることが多いです。このセクションでは、ChatGPTでの経験を最適化するために、明確で具体的な指示を作成するプロセスを掘り下げて説明します。a. あなたの目標を理解するChatGPTを使い始める前に、あなたの目的を明確に理解することが不可欠です。記事の目的や伝えたいメッセージを知ることで、AIへの的確な指示を策定することができます。目的を明確にするために、以下の質問を考えてみてください:記事の主なテーマは何ですか?記事の主なテーマは何か?あなたがカバーしたい重要なポイントは何ですか?どのようなトーンで、どのようなスタイルで記事を書くべきか?これらの質問に答えることで、ChatGPTがあなたのビジョンに沿ったコンテンツを作成するための指針が得られます。b. 依頼内容を細分化する明確な指示を出すには、依頼内容をより小さく、管理しやすいタスクに分解することが有効です。これにより、記事の特定の側面に焦点を当てることができ、AIが軌道に乗ることを保証します。例えば、ChatGPTに記事全体の執筆を依頼するのではなく、以下のような個別の構成要素を依頼することから始めてください:記事の主なセクションの概要説得力のある紹介文重要なポイントを詳しく解説全てを繋ぐ結論依頼内容を細分化することで、ChatGPTが期待に応えるコンテンツを作成する可能性が高まります。c. テーマとゴールを具体的にChatGPTに指示する際は、具体性が重要です。AIがあなたのビジョンに沿ったコンテンツを生成するために、記事のトピックとゴールを明確に定義してください。例えば、「記事の紹介文を書いてください」ではなく、「ストレス解消のための瞑想の利点に関する記事の魅力的な紹介文を書いてください」と、トピックとゴールを具体的に示してみてください。希望する内容に関する文脈や詳細を提供することで、ChatGPTはあなたの期待を理解し、より正確な結果を出すことができます。d. 例と文脈を提供する明確な指示を確実にするもう一つの効果的な方法は、期待するコンテンツの種類を説明する例や文脈を提供することです。これには次のようなものがあります:希望するトーンやスタイルを伝える文章や段落のサンプル類似のトピックを論じた記事やリソースへのリンク主題に関連するキーワードまたはフレーズのリスト例や文脈を提供することで、ChatGPTがお客様の要件をより深く理解し、お客様のニーズに合ったコンテンツを生成することができます。e. シンプルで直接的な言葉を使うChatGPTとのコミュニケーションでは、シンプルで直接的な言葉を使うことが肝要です。そうすることで、誤解の可能性を減らし、AIが望ましいコンテンツを生成する能力を向上させることができます。過度に複雑な文章や専門用語の使用は、AIを混乱させ、劣悪な結果につながる可能性があるため、避けてください。f. 実験して指示を洗練させるChatGPTを使っていると、ある指示と他の指示とで、より良い結果が得られることに気づくかもしれません。そのようなときは、遠慮なくいろいろな方法を試し、その経験をもとに指示を改良してください。この繰り返しによって、AIとのコミュニケーションがより正確になり、より満足のいく結果が得られるようになります。結論として、ChatGPTを効果的に使うには、明確で具体的な指示を出すことが重要です。目標を理解し、要求を分解し、トピックとゴールを特定し、例とコンテキストを提供し、シンプルな言語を使用し、さまざまなアプローチを試すことによって、AIとの経験を最適化し、期待に応える高品質のコンテンツを作成することができます。
この文章はかなりそのまま記事にできます。ただし内容には重複もあります。例えばa.とc.は、ほとんど同じ内容です。また、f.は、のちの章にある「調整する」のところで取り上げればよいと思い、この章では省略しました。
結果的に、実際に記事にしたときは、次のような目次に集約しました。(実際の記事に飛びます)
同様に、同じ手順をすべての目次に対して行い、いったん、2万字程度の記事に仕立て、あまり洗練されなかった部分を切り捨てて、第一稿の完成です。
5.ChatGPTに具体例を追加させる
しかし、これで記事は完成ではありません。ここからさらに、記事の質を上げていく必要があります。
では、記事の質を上げるために最も重要な要素は何でしょう?
それは「具体例」「事例」です。
ここで、もう一度記事を読み返してください。
「すぐに使えるノウハウが提供されていない」
「事例がわかりにくい」
「根拠が不足している」
といった、「抽象的な話に終始している」章は、質が低い部分です。
これについては、ChatGPTにガンガン書き直しをさせましょう。
使った命令文は、以下です。
なお、ChatGPTへの指示は、具体性が重要です。期待通りのコンテンツを生成するためには、各セクションごとのトピックとゴールを明確に定義してください。例えば、「記事の紹介文を書いてください」ではなく、「ストレス解消のための瞑想の利点に関する記事の魅力的な紹介文を書いてください」と、トピックとゴールを具体的に示してみてください。上の文章について、他にもいくつか例を挙げていただけますか?
すると、このように多数の事例をChatGPTは挙げてきます。
適切だと思われるものだけを残しましょう。
・ストレス解消のための瞑想の利点に関する記事の魅力的な紹介文を書いてください・電気自動車の環境への影響について、温室効果ガス排出量の削減や電池の製造・廃棄に関する課題に焦点を当て、詳しく書いてください。・リモートワークが従業員の生産性に及ぼす影響に関する記事の結論を説得力のあるものにし、主要な調査結果をまとめ、リモートワーク政策の導入を検討している企業に対して実行可能な推奨事項を提示してください。・ケーススタディ分析として、X社のソーシャルメディアにおけるマーケティングキャンペーンの成功を分析し、採用した戦略、達成した結果、他の企業にとって学べる教訓を強調してください。・AsanaとTrelloの2つの人気プロジェクト管理ツールの機能、価格、ユーザー体験を比較し、読者がどちらのツールが自分のニーズに適しているかを判断できるような章にしてください。・”在宅勤務をしながら健全なワークライフバランスを保つことの難しさを示す個人的な体験、経験などの逸話を示し、これらの課題を克服するための実践的なヒントを提案するような章にしてください。・著名な気候科学者へのインタビューから、気候変動の現状、行動を起こすことの緊急性、潜在的な解決策に関する彼らの見解を強調し、要点をまとめる、インタビューの要約の章としてください。
これくらい多くの事例があれば、読後感がかなり変わってくるのではないかと思います。
このように、最初にChatGPTに出力させた目次から数えて、4回ほどブレークダウンすると、ほぼ目的の粒度、具体例が記述された、ノウハウ記事にすることができます。
もちろん全ての項目を4回ブレークダウンすると、記事は大変なボリュームになってしまいますから、ブレークダウン→目次の整理→ブレークダウン→目次の整理→ブレークダウン→目次の整理→ブレークダウン→目次の整理 といった具合に、内容を整理し、統合することで記事の質は格段に向上します。
6.ChatGPTの出力に対して、文献・出典を確認する
ChatGPTに対して、「主張には根拠と出典を付けなさい」と命令して記事を書かせると、出典を示してくれるのですが、実際には出典がデタラメである可能性が高く、出典をあたり、確認をしなければならないケースがあります。
例えば最後から2番目の章について、以下のように命令して具体例を追加させたとします。
以下の文章には、具体的な活動内容が書かれていません。具体的な例を挙げて、記事を充実させてください。また、具体的な事例については、具体的な出典と出典へのリンクで記述してください。f. ChatGPTのドキュメントやコミュニティに相談するChatGPTで思うような結果が得られない場合は、AIのドキュメントやオンラインコミュニティを参照してください。ドキュメントには、AIの機能、制限、ベストプラクティスに関する貴重な洞察が記載されており、コミュニティには、ユーザーが作成したヒント、トリック、共通の課題を克服するためのソリューションが豊富に掲載されています。
それに対してのChatGPTの出力は以下の通りです。
AI言語モデルとして、私はリアルタイムのリンクを提供したり、特定のオンラインリソースにアクセスしたりすることはできません。しかし、ChatGPTのドキュメントやコミュニティに相談する方法を説明するために、いくつかの一般的なガイダンスと仮説的な例を提供することはできます。f. ChatGPTのドキュメントとコミュニティに相談するChatGPTで思うような結果が得られない場合は、AIのドキュメントやオンラインコミュニティを参照してください。ドキュメントには、AIの機能、限界、ベストプラクティスに関する貴重な洞察が記載されており、コミュニティには、ユーザーが作成したヒント、トリック、一般的な課題を克服するためのソリューションが豊富に掲載されています。例1:ChatGPTの応答の出力長を制御したいとします。ドキュメントを参照すると、「max tokens」パラメータを特定の値に設定することで、レスポンスの長さを制限できることがわかるかもしれません。この情報は、AI言語モデルの公式サイトやGitHubリポジトリに記載されていることがあります。例2:ChatGPTでクリエイティブな記事タイトルを生成するのが困難だとします。AI言語モデル専門のサブレディットやLinkedInの専門グループなどのオンラインフォーラムに参加し、他のユーザーがクリエイティブなコンテンツを生み出すための経験やヒントを共有することができます。AIがより創造的で多様なアウトプットを生成できるような、「温度」設定を上げる提案が見つかるかもしれません。例3:ChatGPTが生成するコンテンツのトーンを向上させる方法を探しています。AIの専門家やインフルエンサーのブログやソーシャルメディアのアカウントをフォローしていると、AIを望ましいトーンに導くために特定のフレーズで指示を出すことを提案する投稿を目にすることがあります。例えば、ChatGPTに “会話調で記事を書く”、”プロフェッショナルなトーンでコンテンツを作成する “と指示することができます。これらの例は仮定であり、ChatGPTでの経験を向上させるためにドキュメントやコミュニティリソースをどのように使用できるかを説明することを意図していることに注意してください。私はオンラインリソースへの直接のリンクやアクセスを提供することができないので、特定のリソースを見つけるには、自分で検索を行う必要があります。
この記述が事実であるかどうかは、ChatGPTのドキュメントを実際に検索し、調べる必要があります。
(ChatGPTも、自分で検索せよ、といっています)
これについて実際に自分のほうで、ChatGPTのドキュメントを読み、「トークン」や「温度設定」について、自ら調べたことを、文章に補足したものが、こちらの完成した文章です。
7.まとめ
まとめます。以下の手続きに従えば、だれでもある程度の記事を作ることが可能です。
1.翻訳ソフトの準備をし、GPT-4を使うこと
2.大項目、中項目、小項目で、テーマについて目次をざっくり出させること
3.目次を編集したうえで、7つの以下の条件を指定して記事を書かせること
・文字数を指定する
・タイトルと、目次を提供する
・筆者のプロフィールを指定する
・ターゲット読者を指定する
・「すぐに実践できる」と指定する
・主張に根拠を示させ、かつ出典を明示させる
・文体を指定すること
4.ChatGPTが出力した記事をさらにインプットとして、再帰的に深堀した記事を書かせること。
5.具体例が足りないときには、ChatGPTに補足させること
6.ChatGPTが根拠を示したときは、文献、出典の実在を確認すること
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【著者プロフィール】
安達裕哉
元Deloitteコンサルタント/現ビジネスメディアBooks&Apps管理人/オウンドメディア支援のティネクト創業者/ 能力、企業、組織、マーケティング、マネジメント、生産性、知識労働、格差について。
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