この記事はティネクトが毎月定例で開催しているオンラインセミナーの内容を一部抜粋し読みやすく文章化したコンテンツです。
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多くの企業がオウンドメディアを使って情報発信をする光景が見られるようになったのは、最近のことです。
そのため、コンテンツマーケティングの中身についてちゃんと理解できている人は、まだまだ少ないというのが現状でしょう。
ここでは、すでにメディアを運営されている方、あるいは、これからメディアを運営しようという方に向けて、コンテンツマーケティングで成果が出なくなってしまう原因について触れていきます。
「なんとなくやっている」や「とりあえずやってみよう」という状態では、コンテンツマーケティングで成果を出すことはできません。
もう少し問題点を掘り下げていって、具体的に何ができていないといけないのかを見ていきましょう。
コンテンツマーケティングが上手くいかない5つの理由
コンテンツマーケティングでは、潜在的な顧客層にアプローチするため、不確実な部分も多く、成果が出るまでに時間がかかります。
また、顧客を顕在化させるまでのプロセスも複雑で、全体像がつかみにくいものです。
具体的に掘り下げると、どのようなところに上手くいかない原因があるのでしょうか。
その理由としては、次の5つに分けられます。
①正しい目標設定を行っていない
コンテンツマーケティングに対する理解不足ということもあり、なんとなくブログを作って集客しようとするケースが見られることがあります。
ただ、目標もなくダラダラとやってしまっていたのでは、コンテンツマーケティングは成功しません。
正しい目標設定が出来ていない原因として、以下のようなものが挙げられます。
・コンテンツマーケティングで何を達成できるのかよく分からない
・成果が出るかどうかわからないので、曖昧にしている
・何を成果とするのかハッキリしないままPVだけを追いかけている
ではなぜこのようなことが起きるのでしょうか?
その理由が、「営業上の目標とマーケティング上の目標が紐づいていない」からです。
どのように紐づければいいのかについて、以下に弊社ティネクトの例を示します。
集客から受注までのプロセス(弊社の例)
マーケティング担当領域は、集客からセミナーまでの参加の部分を担います。
セミナーへの参加者を募ることで、営業に対してどれだけ見込み顧客のリストを渡せるのかが重要になってきます。
それを踏まえたうえで営業担当領域では、セミナー参加者の中から課題のヒアリングを行い、最終的に受注につなげます。
まずマーケティングでどれだけ人を集め、それに対して営業でどれだけ受注につなげるのかという目標を明確にしておく必要があります。
②成果の測り方を間違えている
目標を正しく設定できたとしても、ちゃんとその目標に向かって進めているのかを途中で何度もチェックする必要があります。
ただ、成果の測り方が分からずに、
・Google Analyticsによる指標が多すぎて本当に重要な指標が何なのをつかめていない
・記事からのコンバージョン率ばかりを気にしている
という状態になってしまうケースも多く見られます。
コンテンツを見た人が即コンバージョンするというのは、ただの幻想でしかありません。
プロセスごとに最適な指標を選び、コンバージョンに至るまでの各指標を測定できなければなりません。
以下に示すのが、各プロセスにおいて弊社が用いている指標です。
指標の測り方の例(弊社の場合)
このように、各プロセスにおいて、どのような指標を使うのかを明確にします。
まず集客の段階においては、まずはPVをチェックします。
次にコンテンツの体験の段階では、コンテンツごとに滞在時間やリピーター比率などを通して、どれだけユーザーに満足してもらえているのかを確認します。
SNS経由で来ているのか、SEO経由で来ているのかという流入元のチェックも重要です。
SNS経由で来ている場合には、暇つぶしで来ているというケースが多いと考えられます。
IMP(インプレッション)というのは、記事の一番下にある広告をどれだけ見てもらえたのかという指標です。
マーケティング担当領域における最終目標は、CV数となります。
「何件の契約を獲得できたのか?」という数が重要になるため、最終目標はCV率ではなく「CV数」となることに注意が必要です。
③顧客ニーズを把握せず、コンテンツを作っている
過剰なSEO対策への呪縛によって顧客のニーズを無視したコンテンツを作ってしまうと、コンテンツマーケティングはうまくいきません。
検索順位を上げるためにSEOキーワードからコンテンツを制作しようとする方法は悪くはありません。しかしそれでは、担当者自身が読んで面白いと思える記事になりにくいものです。
また、書くことが無くなってくると、「とりあえず書けるネタを投稿しておこう!」という方もいらっしゃるでしょう。
会社の近くのおいしい飲食店の情報や内輪ネタなど書いたところで、読者のニーズを満たせなければ読んでもらえません。
読者のニーズを満たせないコンテンツは無意味であり、そのようなコンテンツでは潜在的な顧客である読者の興味を引くことができません。
コンバージョンにつなげるためには、途中で離脱されることなく最後まで記事を読んでもらい、記事の下にあるお知らせ欄やメルマガ登録ボタンにたどりついてもらう必要があります。
そのためにも顧客ニーズを満たしたコンテンツを作成し、読者を満足させる必要があります。
④月に1~2記事しか更新していない
潜在的な顧客との間に信頼関係を構築するためには、ある程度の接触回数があった方が有利です。
しかしながら、人材リソース上、月に1,2本が限界というケースも多いものです。
コンプライアンス等の問題もあり制作工程が多くなりがちということもあるでしょう。
このような状況に陥ってしまう原因は、Webマーケティングに対する理解不足からくる予算不足によるものです。
更新頻度があまりにも低いと、読者はすぐに飽きてしまってどこかへ行ってしまいます。
読者に親近感を持ってもらい、読者を潜在的な顧客として引きつけておくためには、それなりの頻度で記事を更新する必要があります。
⑤コンテンツを見てもらう工夫(拡散・情報発信)をしていない
コンテンツは、公開するだけでは見に来てもらえません。
必ずSNS上でコンテンツが公開されたことを告知する必要があります。
FacebookとTwitterは最低でもやっておくことが必要です。
なぜなら、多くの人はSNSを通じて情報を取得するからです。
また、メルマガについても、記事の公開を知らせる有効なツールとなります。
BtoBの場合には、SNSよりもメルマガの方が読んでもらえるケースが多くなります。
コンテンツ拡散のためのSNS、メルマガの利用法
上記に示したような頻度でお知らせを行うことで、興味を持った人がコンテンツにアクセスしてくれます。
コンテンツを公開しても、そのことをお知らせしないと気づいてもらえないことも多いので、積極的なアピールが必要です。
オウンドメディアの運営で大事な要素
オウンドメディアの運営にあたっては、顧客ニーズを考えた質の高いコンテンツを、それなりの頻度で提供し続けていく必要があります。
集客を行うためには、コンテンツの質と量が重要になってきます。
しかし、成果に結びつけるためには、これだけでは不十分です。
サイトを訪れた人が、コンテンツに満足してそのまま帰って行ってしまうようでは、商売として成り立ちません。
集まってきた人を、うまく顧客に変えるための仕掛けが必要になってきます。
オウンドメディアの運営を成功に導くためには、以下に示すように「質」、「量」、「仕掛け」の三つの要素が重要です。
オウンドメディアの運営を成功に導く要素
まずは、質のいいコンテンツを多く提供することで集客を行い、訪れた人を満足させるというのが最初の段階です。
さらに次の段階として、コンテンツに満足した人が商品やサービスに興味を持ち、メルマガ登録やセミナーに申し込んでくれるような仕掛けがあってこそ成果につながります。
弊社のオウンドメディアであるBooks&Appsでは、記事を読み終えた一番下の部分に【お知らせ】欄やメルマガ登録ボタンを配置しています。
「そんな目立たない部分に配置して大丈夫なのか?」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
コンテンツマーケティングにおいては、まず潜在的な顧客を満足させることで信頼関係を構築し、メルマガ登録やセミナーの申し込み、それに続き提案、受注とつながっていきます。
このように段階を経て、潜在的な顧客を顕在化した顧客へと変えていくというのが一連の流れです。
一方で、問題のある仕掛けもあります。
・サイトにアクセスしたらすぐにメルマガに登録するよう促す画面が表示される
・登録しないとコンテンツが読めない
・常に画面の下にお知らせのバナー広告が表示された状態で、記事が読みづらい
このような状態だと、コンテンツ自体の質は高かったとしても、アクセスしてきた人がすぐに離脱してしまったり、警戒心を持たれる危険性が高まります。
そうなると、信頼関係の構築に支障が出てしまいます。
コンテンツマーケティングにおいては、潜在的な顧客との間に信頼関係を構築することが重要であるということに対する理解不足によるものと言えるでしょう。
良好な関係を築くためにも、まずは読者が安心してコンテンツを楽しめるというのが重要になってきます。
コンテンツマーケティングが上手くいく企業とは
以上のことを踏まえると、コンテンツマーケティングが上手くいく企業の特徴は、次の5つということになります。
コンテンツマーケティングが上手くいく企業の特徴
正しい目標設定や適切な成果の計測、顧客のニーズの的確な把握は、なにもコンテンツマーケティングに限ったことではなく、ビジネス全般に言えることです。
また、記事の更新頻度としては、月に10~20記事程度が適当なラインです。
少な過ぎるのは問題だというのは、すでにご紹介した通りですが、逆に多過ぎても予算がかかり過ぎるうえに、「もう見たくない」と思われる危険性も出てきます。
適度な頻度を保ったうえでコンテンツを出していくというが、大事になってくるでしょう。
また、コンテンツは公開しても、見てくれる人が忙しければ気づいてもらえません。
検索による流入についても、検索順位が最適化されるまでには時間がかかるため、最初のうちは自らの手でコンテンツの公開をお知らせする必要があります。
これらの特徴を押さえたうえでメディアを適切に運営していけば、結果を出すことができるでしょう。
(了)
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